8の王子さま
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華やかな上流世界。過酷な現実。極度な溝がますます開きつつある。広告の世界では人生はみなバラ色。夢を語り、恋愛があり、イケメンがいて美女をとりまいている。世界には豪華なセレブがいて、家を買えるほどの1着のジャケットがあり、月収ほどの豪華な1食の朝食がある。。。権力と財力のもとに輝かしい世界を映し出す。ふっと目を落とすと、現実という灰色の世界がすぐそこまで忍び寄る。全てが希薄で、打算的で、短絡的で、自分の乗ったベルトコンベアがどこにつながっているのか想像すると悪寒がする。恐怖のあまり僕らはせめてこの灰色の世界にしがみつこうとする。作られた中立という名の現実と、映し出された至極の世界と、その矛盾に満ちた断片を必死でつなぎ留めようとする僕らの心。その両の世界に翻弄され、どこかが麻痺をして、いつしか愕然とし、もがき、確かな「つながり」を求めて凶器を手にしてみたりする。
もうちょっとだ。。。
全てを受け入れよう。これが僕らの選択した世界だ。結果を評論する必要はない。報道でもない、広告チラシでもない、選択は僕ら自身がすればいい。だから、何かに矛盾を感じたのなら僕らはすぐに選択を変えることもできる。僕らの望む世界は、僕らが選択しさえすれば明日にでもやってくる。昨日感じた悲しみは、進むべき方向を示す羅針盤。今朝感じた憤りは、次の一歩を踏み出す情熱だ。たった今、微笑みあった心の赴くままに足を進めてみればいい。静寂に包まれた水面に、苦しみと痛みが映し出すまばゆい世界に目を凝らそう。僕らはたった今この世界を選択している。
あなたの痛みは、わたしの悲しみ
輪廻だとか業だとか神秘じみたことを言うつもりは毛頭ない。ただ、僕らの生の営みはこの狭い世界の中で巡り巡っている。人と人はまるで蜘蛛の巣のように惹かれ引き合っている。誰かの痛みは、どこかでひき合っている。私の悲しみも、どこかでひかれ合っている。人生の神秘とは誰もそれを知り得ないことだ。だからこそ僕らは悲しみから多くの勇気を学ぶことができる。地球上の全ての戦争と、痛みと、悲しみ、恐怖、そしてあらゆる不幸を自分の呼吸の中に大きく吸い込んでみる。その痛みをじっと胸に暖め。深く慈しみの息にかえて吐き出そう。決して自分ひとりが溜め込む不幸などないことがわかるから。
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Category:社会 |
Date:2008/07/25