隣人を想ふ
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なんだか、ふっと「脳内革命」という本のことを思い出す。この本、読んだことないんだけど、学生のころ(健康おたくの)友人がこの本について数時間近く熱く語っていたのを聞いているうちになんだか隅々まで読破したような気になった。
脳の働きと体
僕らの体は何もしなければ腐って消えてしまう非常に過酷な環境のなかで生命を維持している。健康体とは、この過酷な環境のなかでいかに生体を楽に維持できるかということじゃないかと思う。ざっくり言うと「脳内革命」という本には、脳の働きから僕らがどのようなマインドセットをもったときに一番体に負荷がかからず、健康な体を維持しやすいのかということが書かれている。。。ようだ。結論から言うと、笑ったり、楽しいと感じることが体には一番いい。
人間の脳が幸せを感じる瞬間が、体にとって一番楽な状態ということなんだと教わった。一本のたばこを隠れてこそこそ吸うのは、体にとって害だけれども、食後の一服を「あぁ~~~!うめぇ。この瞬間が幸せだ~~~」と感じることは脳医学からするとかえって超健康的と言えるのだそうだ。
この「幸せ感」こそが、僕らを健康にする。
興味をもったら、是非本を読んでみてくだされ。
幸せを感じ続けていればいい
さて、今日ふと頭をよぎったのはこの「幸せ感」についてなんですが、僕らが健康であるためには、この幸せ感をより多く感じ続けていればよい。苦しみ絶望にさいなまれながら生きることは体にも悪いのだから。自分が楽しいと思うことを常にやり続けていればいいんだね。しかし、視野を広げてみると、自分は決して独りで生きているわけではなく、そこには家族もいれば、友達もいる、好きな人もいれば、嫌いな人だっている。そういう人間関係の中で、幸せを感じ続けるにはどうしたらいいんだろうと考える。
ひとつのケーキ
昔から1つのケーキの問題を考えるのだけどちょっとその話しを紹介してみる。
ここに1つのケーキがある。ケーキは1つしかない!
自分はケーキが大好きだから食べられればとてもうれしい気分になれる。ところが、僕以外にもう一人のケーキ好きがいる。。。
僕がケーキを食べてしまえば、きっともう一人の彼はとても残念がるに違いない。彼がケーキを食べてしまえば、逆に僕はとても悲しいに違いない。
ケーキを食べることが幸せを生むのだとしたら、自分が幸せになるために、相手を不幸にしなくてはならない。
きっと、人生ではこんなことが日常的に起こっている。
幸せは常に勝ち取れるだろうか?
ここで考える。どうしたらこの状況で「自分が」常に幸せでいられるだろう?
もちろん自分が常に勝ち続ければいいのだ。常にケーキを独占できたらいい。世の中の多くは、自分に有利な状況を作り出し、常勝の状況を生み出すことが幸せの第一歩だと考えるのはこのためだ。しかし、強者の上には常に強者がいる。常勝を望むことが、どれだけの苦しみを生むのか想像するのは容易いはずだ。
平和を愛する人ならこう考えるかもしれない。
「半分に分け合えばいいのだ」
このためには、相手との友好な関係と対話が必須になる。お互いわかりあえば、少なくともお互いが不幸になるリスクは避けられるのだから。しかし、僕はケーキが大好きなのだ!そのため対話は厳密でならざるを得ないだろう。。。相手のケーキが1gでも多ければ、争いが起こるかもしれない。なんせ、大好きなケーキを対話によって我慢しているのだから。
両者が幸せになれる方法
さて、ここで更に考える。。。どちらがケーキを食べても、幸せになれる方法はないものか。。。そして僕は思う。一番簡単な方法は相手を好きになることだ。
この話をするとき、縁側で自分の孫に自分の分のお菓子を分け与えてるおばあちゃんの姿が頭をよぎる。おばあちゃんは、自分の食べるものがなくなってもどこか幸せそうなんだ。お菓子を食べて喜ぶ孫の姿がおばあちゃんを幸せにしている。。。ように見える。
もし、ケーキ好きな相手を自分の孫娘のごとく愛することができたら、そして、もし相手が自分の孫娘のごとく自分を愛することができたら、もはや、ケーキをどちらが食べようなどというのは問題ではない。
相手の幸せこそが自分の幸せになるのだから。誰かを愛するということは、自他の区分がなくなることでもある。
これは非常に深い瞑想だ。
幸せに努力はいらない
自分が常に幸せになるために、他人や周りの環境を変えるのではなく、本当は、自分自身が変わらなければいけないんだ。。。と僕は思う。といっても、知足主義を徹底したり、禁欲主義を強いたり難しいことは必要ない。ただ、(自分を含めて)人を好きになるだけでいい。。。駅の改札で行き交う大勢の人間を前にして、一瞬目をつむってみる。。。そして、目を開いた次の瞬間、目に映った全ての人を自分の孫娘だと、錯覚してみたりする。。。すると、自分の世界がちょっぴり広がったような気がする。
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Category:哲うこと |
Date:2009/01/11