[DVD] チェ・ゲバラ
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やっと見ました。。。チェ・ゲバラ。(2本立て)
1本目はもうずいぶん前に見ていて、なかなか2本目に取り掛かれませんでした;
内容が重いしさ、最近あんまりテレビで人を殺したり死んだりって言うのを
昔みたいにさらっと楽しめなくなってきたもんだから、どんどん腰が重くなる。
スティーブン・ソダーバーグ監督作品。
キューバ革命とキューバ革命後のチェ・ゲバラを2本立てで描いた映画です。
それぞれ、「チェ28歳の革命」、「チェ39歳別れの手紙」というタイトルがついてます。
一本目は、タイトルの通りチェ・ゲバラ28歳。
ゲリラ作戦によりキューバ革命を成功させるまでを描きます。
ふ、不覚にも、寝ちゃった・・・;
いや、ちょっとこれは言い訳させてほしい!
この映画、全体的にストーリー仕立てというよりはドキュメンタリー風に作ってある。
だから、作品全体にわたってエンターテイメント性が乏しく単調な場面が続くんですね。
誤解しないでほしいけれども、それを非難しているわけではなく、
最近の過剰なハリウッド演出などにくらべるとこの点はむしろ好意的に感じた。
世界の多くの人をとりこにした、カリスマ的革命家の華々しい映画ではなく、
どこか、そのチェ・ゲバラ本人と寝食を共にし、苦楽を共に味わい
ずっと傍らで”人間ゲバラ”と共に寄り添うようにカメラが彼を静かに追う。
きっと、ゲバラファンにとっては、彼のより人間味ある姿に触れ、連れ添うような構成に
きっと酔いしれるに違いない。。。そんな気がした。
僕にとっては、チェ・ゲバラに対する思い入れがないだけでなく、
この映画を見るには、彼のバックグラウンドを知らなすぎるのだ。
もう、ほんっと勉強不足です;;
いずれにしても寝てしまったことの言い訳にはなってない。。。!?
そもそも、チェ・ゲバラっていうのがどういう人間かというと、
彼は、キューバ人ではなく、アルゼンチン人!!
ブエノスアイレス大で医学を学んだお医者さんです。
これがまた、いい男でね。。。
圧倒的なカリスマ性とともに非常に甘いマスクと笑顔を持っている。
非常に、魅力的な人間であったことは間違いない。
在学中に友人と南米大陸を放浪し現地の暮らしを見てまわり
ラテンアメリカの極端な貧富の差や搾取の現状に思い悩むようになる。
その後、カストロと運命的な出会いをし軍医としてキューバ革命に参加することになるのだ。
この辺りの背景・・・
なぜ、アルゼンチン人の彼が他国キューバ革命に参加することになったのか?
などは、映画ではまったく語られない。
この辺りが、ゲバラを知らない僕のような人にとっては、
その後のストーリーに入り込めない要因だったかもしれない。
キューバ上陸時の壮絶な戦いも、また過剰な演出を避けるためか語られていない。
その後、ゲリラでありながらも捕虜は殺さない、略奪を行わない
(かならず農民などから食料や物資を調達する際にはお金を支払っていた)
などのゲバラの倫理的行動が徐々に民衆の支持を得て
最終的に、キューバ革命に成功しハバナに入城する際には住民から熱烈な歓迎を受けている。
過剰な演出を避けるためか、この映画的に「オイシイ」場面も映画では語られていない。
勝利を収め、ハバナに向かう場面で前半はすっぱり終わる。
チェ・ゲバラ28歳。。。(28歳て。。。改めてスゴイね。)
後半、チェ・ゲバラ39歳。
キューバ革命、その後のゲバラ。。。が語られる。
(そうそう、ルー・ダイアモンド・フィリップスが出てたよ!!!
すごい、懐かしーーーー!!!)
序盤、これまでの大臣の職も、家族との裕福な暮らしも捨て
突如、ゲバラがキューバから姿を消すところから物語が始まります。
人気者のゲバラの失踪に国民は納得せず。
ついに、カストロに直接宛てた手紙を公表することで、ゲバラの真意が見えてくる。。。
ここが一番のみどころだったかもしれない。
アルゼンチン人の彼は、キューバにおける彼の役割はもう果たしたと感じていたようだ。
そして、な、な、なんと!
同じように圧政に苦しむ民衆のため、他国へと足を運び
革命家として革命活動の指導をし手助けをする。。。というんだから。これには驚いた!
彼は密かに、ボリビアへと向かう。
「バカらしいと思うかもしれないが、真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。
人間への愛、正義への愛、真実への愛。愛の無い真の革命家を想像することは不可能だ。」
ゲバラ本人の言葉だ。
前半とは異なり、後編ではゲバラの部隊はどんどん追い込まれて行く。
結果的に、ボリビアでの作戦は失敗し。
ゲバラはそこで捕獲され、捕虜として裁判にかけられることなく射殺される。
チェ・ゲバラ39歳。。。
本作品は、どうみようともゲリラ戦争映画だ。
必ずしも、愛情と平和だけを謳った内容ではない。
多くの同志が死ぬし、多くの敵兵を殺すことになる。
ゲバラ本人もそれを示唆していたようだけれど、
非暴力による闘争の可能性が残っている限り
武装闘争は最終手段であるべきだ。
しかし、彼の弱者に対する深い愛情と
まして他国のために、自分の生活や地位を捨て
身をなげうってまで、行動を起こそうという彼の精神には
ただただ、言葉を失うばかりだった。
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Category:映画 |
Date:2010/03/26