イロコイ・プリスキン
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「憲法九条を世界遺産に」このタイトルのセンスに惹かれて、思わず本を手にとってしまいました。その中で、ほんのちょこっとですけど、イロコイ族の話がでてくる。アメリカの建国時の思想に影響を与えたのではないかといわれている北アメリカの先住民です。イロコイっていうネーミングからして気になって、引き込まれるように調べてみることに。
どうやら、イロコイ族っていうのは先住民のいくつかの部族からなる連邦らしい。今から千年も昔、部族同士の血で血を洗う争いが絶えなかったそうな。そこへ彗星のごとくピースメーカー(Hiawatha)って呼ばれている青年が現れて、非戦と理性による解決を説いてまわったんだって。どうやって利害の一致しない部族をまとめたんだか…言い伝えでは100年かかって説得に回ったんだそう。きっと想像を絶する苦労があったはずだ。ついに全ての部族がこの彼の説得に応じる日がやってくる。そして、賛同した部族は持ち寄った全ての武器を大木の下に埋めてしまうんです。この時のピースメーカーとそれを取り巻く部族の人々の情景が目に浮かぶようで昨日は一人で興奮してしまいました。武器を埋めた大木(大いなる平和の樹)にとまった白鷲を指し、鷲のように遠くを見通せる目を持って平和を脅かす危険を未然に防ぐことを皆で誓い合う。そして今度は、大木の根を指し平和の根が地球の四方へと伸びていく様を想像させ、それに触れた全ての異邦人が力でなく理性と良識の治める世界を求めたなら、どんなに遠くともその根をたどりこの「大いなる平和の樹」を見つけて木陰に憩うことができるだろうと宣言したんだそうな。。。なんとも勇気付けられる話じゃぁないか。この時に発足したのがイロコイ連邦です。全部で117項目に及ぶ新社会ルールができあがり、これがヨーロッパで民主主義が生まれる遥か前であったにも関わらず、現代のシステムに非常に近いものだった。また、イロコイの重大な政策決定は7世代後を考えて施行するというガイドラインは、21世紀の今になって声高に叫ばれ始めている「持続可能性」の追求にも通じるものがある。
この話を聞いてほんとに目頭が熱くなる思いがしました。これまで平和運動とか宗教の中で平和に対する色んな話を聞いてきました。その中でもこの話がとても特徴的なのは、思想だけじゃなくって、実際の社会のしくみと運営方法を掲げることで、紛争を根絶していること。そして、そのしくみが今もなお有効であること。あるいは今のしくみより進んでいるかもしれない。何より現代ですら実現できない非戦の理念を千年も前に実現していた事実にショックを受けました。ただ同時に、僕らの国の理念がイロコイから影響うけたかはわかりませんが(そういう説もある)、「非戦」の大木の根が、僕ら日本の憲法の中にも根付いているということに誇りを持ちたいと感じました。
と、いうことでタイトルに引かれてメタルネタだと思ってやってきたみなさん、すみません。プリスキン中尉の出る幕がありませんでした。。。そんな方はこちらもどうぞ(イロコイ族とプリスキン)。←ネットで検索したらでてきました。あ、このサイト前に隊長に教えてもらったサイトですね。
参考:
「魂の民主主義」(星川 淳)
「憲法九条を世界遺産に」(太田 光・中沢 新一)
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Category:社会 |
Date:2006/11/12