パラン・パル・ミル
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面白い団体をフランスに発見しました。
パラン・パル・ミルという、新しい里親のしくみが作られつつあるようです。
先進国フランスでも、現代社会の様々な家庭環境や社会環境により
愛情に飢えた子供達がたくさんいます。
その子供達を長期的に、社会の大人たちが責任を持てケアしていきましょうという試みです。
この組織を作ったカトリーヌ・オンジョレさんというフランス人女性が
先日NHKの深夜番組で特集されていた。
恵まれない子供達は、何も国外の貧しい国の話ではなく、身近にもたくさんいる。
それを育てるのは、必ずしも生みの親である必要はなく
社会全体で、責任をもってケアする必要があるんだ。
と、語っていたのに興味を引かれ番組をみてしまいました。
パラン・パル・ミルは、
愛情を注ぐ心の準備のある大人と
愛情に飢えた子供達の橋渡しをする団体です。
余談ですが・・・
団体の標語みたいのがあるんですが、夜空に輝く星をイメージしたりして詩的なのね・・・^^
フランス人ってほんとに皆あんなに詩的な表現を好むのかなぁ??
また、ちょっといやらしい話になっちゃうかもしれませんが、、
興味深かったので運営内容についてもメモメモ。。。
対象は、17歳(18だったかな?)までの子供で、
基本的には、1人の子供を1人の里親が長期的に面倒をみることが大きな特徴です。
里親は自分の仕事などの時間に応じて、人によっては複数人の子供を面倒みてるみたい。
週に数回、家に赴いたり、外で一緒に遊んだりしているようです。
里親になるためには、簡単な面接による適性検査と性格や趣味などの把握が必要みたい。
なるべく趣味が似通った子供とマッチングさせるほうが上手くいくケースが多いんだそうだ。
かといって、一度決まった子供をずーーっと面倒みなくてはならない!という決まりがあるわけでなく
性格の不一致や、条件的に厳しくなった場合は、いつでも辞められるし
子供にも、里親にとっても無理なく継続できるという点を重視しているようです。
里親に出す側としてかかる料金は一切無料です。
里親になりたい!という大人側から会費をとってるんです!(5,000円/年程度)
なので里親は仕事として子供をケアするわけではなく、
純粋に子供を助けたいという親心から里親になる。。。
子供と遊ぶときにかかる、交友費なども一切里親が支払います。
なので、自分のできる範囲で、無理なく子育てをするということを大切にしているようです。
ただ、仕事の合間をぬって子供の面倒をみている里親にとっても
この時間が今の自分の生きがいだ!とまで言っているのを見ると、とても暖かい気持ちになる。
こうやって、何かの役に立ちたいと思っている人は世の中にいっぱいいるんだね。
そういうちょっとした心遣いを引き出してあげるしくみなのかもしれないね。
番組では、白人女性が引きこもりぎみの黒人の男の子の面倒をみていたんだけど
男の子が涙しながら、里親に抱きしめられている姿をみると
なんだか、新しい家族の形をみているようでした。
こういう家族のありかたも、アリかもしれないな・・・。
団体の規模がどのくらいか、忘れちゃったけど
たしか、1,000人規模の里親がフランス全土にいるという話をしていた気がする。
この里親による会費が団体運営費のおよそ3割
残りは、賛同する支援者や企業からの寄付や、
国からの助成金などによってまかなわれているようです。
こういう新しい仕組みのお金の流れを見ると、
収入や利益だけで存在価値を量られてしまう現代社会では、
ホントに意義のある組織を運営することって、たぶん相当難しいよね。。。
なんだか、資本主義社会のひずみをこんなところにも感じてしまう。
カトリーヌさんという方はすごいな・・・
この活動の理解を得るための執筆活動から、講演会やら
数年前に、フランスで「もっとも目覚しい活躍をした女性」という賞まで受賞している。
こういった精力的な活動が、団体を支えているんだね。。。
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Category:社会 |
Date:2009/06/12