ムダ話
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無駄がない社会ってのは、遊んでる人やモノが
もっと、た~~~っくさんあるんじゃないか?ってここのところ良く考える。
効率化により生まれるはずの余暇
無駄をなくすってことは、効率を上げるってことでしょ。普通に考えれば、それに伴って余裕ができるんじゃないかしらね。
1週間で終わらせなければいけない宿題を3日で終わらせてしまえば、
残りの4日間は余裕が生まれるはず。
ところがどうして、無駄をどれだけ省いても世の中は窮窮としていることったらない。。。
これは、まだまだ無駄が多すぎるせいなのか、それともまた別のところに原因があるのか。。
2つの無駄
無駄って、ざっくりと2種類あるのじゃないかということに触れてみたい。。。1.浪費型の無駄
集中すれば3日で終わるものをダラダラと音楽聞いてみたり、
チョコをかじってみたり、テレビをつけたりしながら時間だけを浪費してしまう。
一般的に言われてるのは、この浪費型の無駄である。
建てなくてもいい場所に税金使って施設を建ててみたり
効率良く使えば、1tで済むところに10tの水を使ってみたり
必要以上の時間や資源を投入すること。
2.詰込型の無駄
集中して3日で終わってしまったとき、残りの4日をもったいないから
という理由で同じ課題を何度も繰り返して復習してみたりする。
これは、余った時間を有効に使っているのだから無駄ではない!
と、言う人も多いだろうけれども。。。効率化という点から言うとこれも立派な無駄だ。
モノで考えてみるといい。
通常10個/時できるものを20個/時 生産したら効率は倍!・・・だろうか?
10個しかそもそも売れないものを20個生産したら、残りは在庫でしかない。。。
つまりこの場合、10個を30分で生産して残りは休憩でもしてる。。。
というのが一番効率的だとは思わないだろうか。
浪費型の無駄と遊び
浪費型の無駄というのは、比較的見つけやすい。必要以上に使っているものを目ざとくみつけていけばいいのだから。
ちなみに、この浪費型の無駄というのは社会全体的に見ると無意味でないことも多い。
必ずしも切り詰めることだけが生活を豊かにするわけではないですものね。
ある大工の言葉だけれども、人も建付も柔軟に使いこなすには「遊び」が必要だ。。。そうだ。
なかなか、うまいことを仰る。。。
より全体的な視点で見たときに、これが浪費であるのかどうかの判断のほうが
非常に難しいのがこの手の種類の無駄です。
100%の稼働率は効率化をうまない
詰込型の無駄の方は見つけるのがとても難しい。もったいないという心情の上に成り立つことが多いから
逆に無駄を生んでると気づかずに、いろいろ詰め込んでしまう。
余った時間を使ってより多く生産しようというのはまっとうな考え方だけれども
必ずしも効率化につながらない。。。
前に、ゴールドラット氏の『ザ・ゴール』という本を読んだことがある。
彼が言うには、生産効率の非常に高い工場では、
きまって工場内がすっきりしていて工員や機械が遊んでいるのだそうだ。
なぜだろうか
「テーブル」の部品を製造する機械が3つある
機械①は一時間にテーブルの板を60枚製造できる。
機械②はテーブルの足を5セット/時 製造できる
機械③は留め金を1セット/時 製造できる
この工場の機械をフル稼働させると、テーブルは1時間に何台できるだろうか?
どう頑張っても、1台しかできないのがわかるでしょう。
機械③が、1時間に1台分しかつくれないのだから、
もったいないからといって、①、②の機械をフル稼働させても
余剰分の部品が在庫として積み上がっていくだけなのだ。
工場全体の生産性というのは最低限の生産部品に足並みが揃ってしまう。
だから、機械①は1分間だけ稼働して、後は停止しているのが望ましい。
または、通常の2倍のコストをかけてでも、留め金の製造をちょっとでも増やすだけで
工場の全体の生産性が、そのままアップするということにもなる。
それ以外の投資はあまり意味がない。
全ての機械がフル稼働している工場よりも
機械が定期的に停止して、一見閑散としている工場の方が
生産効率が良いというのは、そういうことらしい・・・。
より効率的な社会
これは、社会や組織でも同じじゃないかと思えてならない。どんなに有能な人材を抱えていても、全体の生産性は最低限にマッチする。
有能な人材を一人確保するよりも、ボトルネックとなっている部分に
とにかく新人でもなんでも追加投入するほうが全体的には効率は向上するはずだ。
(どこにボトルネックがあるのかを見極める有能な人材が最も不足してるとも言える。。。)
それ以外の部門は、遊んでても全体の生産性には全く影響しない。
むしろ無駄な稼働は、無駄な在庫や、無駄な仕事を生み続けるだけだ。
本当に無駄が無く、効率のよい社会って
きっと人やモノがもっと余裕をもって遊んでいるに違いない。
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Category:社会 |
Date:2010/02/24