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インド旅行 <ムンバイ編>

Date:

ムンバイ到着

けたたましく鳴り響くクラクション
行き会う人、リキシャ、バイクがごた混ぜになり
そこへ豪快に車が追い越しを掛ける
車線をはみ出した対向車がものすごいスピードで真横をかすめてゆく。
今にも正面衝突するのではないかと寿命が縮まる思いがした。

ついにインドに着いた。着いてしまった。

ムンバイ空港に到着したのは現地時間の夜中の23時。
あらかじめ1泊だけ予約しておいた空港近くのホテルにタクシーで直行する。
ムンバイは、デリーなどに比べてインド初心者のツアリストが少ない。
このため、旅行者のトラブルが比較的少ない。

。。。はずだった。

ツアリスト目当ての執拗な客引き
あからさまに法外な金額の要求
油断すると頼んでもいないショップに連行されてしまう。。。
どこを歩いていても気が抜けない。
最初の3日間で、もううんざりしてしまった。

次第に見えてきたインド人の素顔

しかし、日を追うごとに表立って見えなかった市民と出会い、
まるで友達のように親身に心配してくれる通りすがりの人に助けられ
次第に見えなかったインドが見えてくるようになると少しずつ旅も変わってくる。
ダークサイドばかりを見ていても本質を見逃してしまうということだろうか。

基本的にインド人は「いい人達」だ。
お金に関して貪欲なのは、彼らにも生活がかかっているのだ。。。
インドの町並みを見ていれば彼らが決して裕福でないことはわかる。
僕ら日本人こそ、戦後の貧しい時代
「ギブミー ア チョコレート!」と米軍にたかっていたではないか。
きっと、当時の日本人も、今のインド人にも悪気はないのだ
「あと50ルピー上乗せしてくれ。」ってせびられたからと言って目くじら立てることもない。

色々あったがお金をちゃんと払いさえすれば
だまされるようなことはなかったし
間違ったことを吹き込まれるようなこともなかった。
基本的には正直な民族なのだ。
彼らの金に対する貪欲さは
むしろ先進国の押し付けがましい功利主義がそうさせているのかもしれない。
僕らにもその責任がないと果たして言えるだろうか。。胸に手を当ててみる

人間のるつぼインド

そしてなにより
インドという国は懐が深い。

インドは人種と宗教のるつぼだと聞いていたが、それ以上だ。
インドは多様な人間のるつぼだ。

アメリカにも多くの人種が生活していて驚いたが
少なくともアメリカでは、みな同じような価値観を持っていた。
貧富の差こそあれ、生活の基盤は同じものの上に乗っていた。

以前、学生の頃に習った哲学の恩師いわく
インドは地形的に、海とヒマラヤ山脈に囲まれていて
北西の「入口」から入ったが最後、出て行く場所がないのだ、そうだ。
新しい価値観をもった民族が次から次へと北西から流れ込み
インドという土地のるつぼに陥っていく。。。
この混沌とした中で、相手を制圧するのでもなく、住み分けるのでもなく
「融合」するという道を学んだ国なのだ。

インドの哲学を学んでも宗教や思想そのものが
良いところに順応し融合し合い、突然変異のように
革新的で美しい思想を生んでいる。

インドを旅して感じたが、
様々な人種にあらゆる宗教が同居し混在しているのみでなく
異なる思想や価値観が否定されるのではなく、どこかで共存し合っている。
格差があり、それは単なる資財の問題ではなく同じ国民でも住む世界が違うほどに。
そして、生まれながらの差別が思想として受け入れられ
僕らツアリストには決して理解できない領域の生活があることも想像できる。
地球上の、あらゆる種類の「人間」が渦巻いている国なのだ。
僕らもそのるつぼのなかでは、いやおうなく
自分が当たり前のしごく常識的な人間などでは決してなく
個性や自我に満ち満ちた一個人であることを痛感させられるのだ。

それらが、競合することなく絶妙に共存している驚異的な国
それがインドだ。

どこまでも懐が深く、
良くも悪くも「寛容」であることを学ぶことになるだろうwww

そうだとしても、そうだとしなくても
僕らツアリストは常に行く先々で、不安になりながら
今日も夜の街をタクシーで激走する。

写真集

ムンバイ

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準備編その1準備編その2

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ムンバイ石窟寺院プッタパルティー南インド食のインド



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Category: | Date:2009/02/07


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